常在選挙。常に選挙に身を置く弊社代表が、3,000件超の候補者を見続け勝てる候補者、負ける候補者の違いを分析。さらに『90日で政治家になる具体的なノウハウ』などノウハウ満載の地方選挙に特化した選挙本がついに登場しました。
見た目は人を食ったタイトルですが、これは、政治、選挙に興味のない人に本書を手にとってもらい政治への興味のきっかけとなるような導入本としたが故。
28歳でなくても、新人、若手候補者に向けて、東西の選挙のプロフェッショナルをうならせ、ある選挙プランナーからは『これからはこの本を地方選挙出馬予定者のバイブルとして推奨します』との御声もいただきました。通常コンサルティングで、1.5時間5万円いただく筆者が、実際にコンサル現場で指南する基礎的な内容、アドバイスを盛り込んだ必読書。本気で本物の地方選挙攻略本として仕上げています。
|
■選挙体験記 - 八木野 太郎 神奈川県・逗子市議会議員に聞く
八木野太郎さんは、自民党神奈川県議の秘書でしたが、党の公認や推薦が受けられず、無所属で初出馬することに。「(自民党)ブランドなし、組織票なし」の八木野さんがどう戦い、初当選に至ったのか、詳しく伺いました。
|
もくじ |
- 1. 八木野 太郎さんのご紹介
- 2. ベテラン議員に聞いた、後ろ盾のない新人が勝つ方法とは?
- 3. 顔と名前を覚えてもらうのに、もっとも効果的だった活動
- 4. あいさつ回り(1) 八木野さん流「親しみを感じてもらうポイント」
- 5. あいさつ回り(2) あいさつ先でどんな対応を受けたか
- 6. あいさつ回り(3) 町の人から寄せられた意見をどうしたか
- 7. 個人新聞を使ったポスティングのポイント
- 8. 八木野さん流駅立ち
- 9. 「継続は力」~「『候補者・やぎの太郎』がじわじわ浸透していった」
- 10. 選挙用品ドットコムを利用してみて
- 11. 初出馬・初当選の勝因
- 12. 「若手・無所属・新人」候補の方へのメッセージ
- 13. 今後の目標
|
-- まず、自己紹介からお願いいたします。
逗子市議会議員 八木野
太郎です。サラリーマンの父、日本舞踊教室を営む母の下、逗子で生まれ、育ちました。
2014年3月、逗子市議会議員選挙に初出馬、当選者の中では最年少の33歳で、初当選しました。現在は、議員職の傍ら、26歳で立ち上げた音楽・映像制作会社を営む多忙な毎日を送っています。
-- 出馬に至るまでの経緯をお聞かせください。
20代の頃から、リュックサック一つで、国内や様々な国々を旅してきた私が感じていたことは、生まれ育った逗子が、本当に世界で一番いいところだということ。しかしながら数年前から、町の高齢化などの理由で、少しずつ活力が失なわれていくのを感じるようになりました。ふるさと逗子の先行きが不安でした。 同じ頃、ひょんなことから、自民党の神奈川県議会議員のカバン持ち役を、時間がある時だけ、務めることになったんです。県議のお手伝いをするうち、次第に、「政治家になって、自ら逗子に活力を取り戻そう」という決意が固まっていきました。 それで県議にお願いして、30歳で県議秘書の職に就けていただき、33歳で逗子市議選に初出馬したわけです。
■ ベテラン議員に聞いた、後ろ盾のない新人が勝つ方法とは? | -- 自民党とのつながりがあったにも関わらず、党の公認や推薦を受けられなかったのはなぜでしょうか。
私が出馬を決意した頃には、同じ選挙区内で、既に、3人の公認候補が決まっていました。枠が埋まってしまったというところでしょうか。
-- 無所属での出馬を余儀なくされて、どうされましたか。
まず、3人の自民党公認候補の皆さんに、「無所属でがんばらせていただきます」とごあいさつしました。それから、私が秘書を務めていた県議や、お世話になっている地元の元県議のところに、相談に伺いました。
無所属だから、自民党の名前で集票はできない。 また、秘書をさせていただいた県議と私の選挙区が違うので、県議の支援も受けられない。県議の選挙区は鎌倉。私は逗子。県議が、異なる選挙区に出向いて私を応援すると、選挙マナーに反してしまうからです。 無名の新人候補である私は、なんの後ろ盾もなく、どうやって戦えばいいのか。
「足を使いなさい」 「誰よりも多くあいさつ回りをして、誰よりもしっかり町の人とお話ししなさい」
2人の先輩議員の答えは、ほぼ同じでした。 有権者の方に直に働きかけて、「八木野
太郎」を覚えていただき、一票を投じてもらう。この地味な方法しかない。
「よしっ!足を使って、思いっきり戦おう」
腹をくくりました。
■ 顔と名前を覚えてもらうのに、もっとも効果的だった活動 | -- ベテラン議員のアドバイスを受けて、具体的な政治活動(※)、選挙運動の作戦を立てられたと思います。振り返ってみて、八木野さんの顔と名前を覚えてもらうのに、もっとも効果的だった活動は何だったとお考えですか。
あいさつ回り、駅立ち、ポスティングです。
※政治活動:政治上の目的をもって行われるいっさいの活動から、選挙運動にわたる行為を除いたもの。 選挙運動:特定の選挙に、特定の候補者の当選をはかること又は当選させないことを目的に投票行為を勧めること。 選挙運動は、公示日(告示日)に立候補の届け出をしてから投票日の前日までに限りすることができる。 (出典:東京都選挙管理委員会ホームページ
選挙Q&A「選挙運動と政治活動」より一部抜粋)
| -- それでは、そうした活動を、どう進めていったのかお聞かせください。
あいさつ回り、駅立ち、ポスティングは、いずれも、2013年10月後半より、告示日前日の2014年3月15日まで実施。基本的に、あいさつ回りと駅立ちは私一人で行い、ポスティングはボランティアスタッフ約15人にお任せしました。ポスティングした個人新聞「太郎通信」は、あいさつ回り、駅立ちでも手渡ししていました。合計10万枚ぐらい、まいたと思います。
■ あいさつ回り(1) 八木野さん流「親しみを感じてもらうポイント」 | まず、あいさつ回りについてお話します。 市議会議員は、有権者にとって、最も身近な政治家なので、国会議員や県議と異なり、「(私が)地元の人間」であることをアピールすることが重要と考えました。
また、同じ地域の人間であると分かれば、私に親しみを感じてもらえるはず。人は、自分と共通点がある相手には、親近感を持ちますから。おまけに、「逗子生まれ、逗子育ち」の候補者は意外に少ない。地元出身という個性をアピールすれば、私のことを覚えてもらえるのでは。親しみを感じたり、顔と名前を覚えて頂ければ、こちらの話や政策にも関心を持ってもらえます。
そのように考えて、あいさつ回りは、私の出身地、「小坪」から開始。その後、周辺エリアへと徒歩と原付バイクで移動しながら、ごあいさつを続けました。原則的に週末をあいさつ回りに当てていましたが、平日でも時間があればごあいさつに出掛けました。4カ月半程度の時間をかけて、約2,000戸を回りました。
訪問先では「小坪生まれ、小坪育ちの八木野太郎です。ごあいさつに伺いました」と自己紹介してから個人新聞「太郎通信」を手渡しすることを心掛けました。小坪以外の地域では「逗子生まれ、逗子育ち」でごあいさつしました。
-- 実際にあいさつ回りをしてみて、「地元出身」の効果のほどはいかがでしたか。
非常に大きいと感じました。
「うちの子も、小坪小学校なのよ」 「かぐのみ幼稚園に行ってたんだ」
「小坪生まれ、小坪育ち」から、通っていた幼稚園や小学校の話題にすぐつながりました。幼稚園、小学校ネタで、盛り上がり、ぐっと親近感が増す感じでした。それから、私の自宅に近いところであいさつ回りした時には、「こちらのご近所、すぐそこに住んでるんですよ」とお話しすることも。近しくなったような雰囲気になりました。
-- 地元出身以外に、有権者に親しみを感じてもらいやすい話題はありましたか。
ええ。ペットの犬の話です。 あいさつ回りの途中、犬を散歩させている方に出会った時は、 「かわいいですね。私も犬が大好きなんです。ぜひ私の愛犬の写真も見て下さい!」 と私の携帯電話に保存している愛犬の画像を見せながら、話しかけました。話が弾みましたよ。
-- なるほど。共通点のある有権者となら、打ち解けやすい話題が見つかりそうです。子育て中の候補者は、子供連れの有権者と、介護経験のある候補者なら、高齢者を介助しながら散歩中の有権者などと共通の話題がありそうです。
■ あいさつ回り(2) あいさつ先でどんな対応を受けたか | -- これまで、複数の男性議員から、あいさつ回りの際、有権者から厳しい意見が寄せられた経験を、伺いました。八木野さんはいかがでしたか。
全くといっていいほど、ありませんでした。 おそらく逗子市は気候が温暖で、緑豊かで海もあるので、穏やかな方が多いのではないかと思います。 稀に、若さゆえの知識・経験不足をキツい口調で指摘される方もいらっしゃいましたが、50人に1人ぐらいの割合でした。
どちらかというと、「若さ」については、どの年齢層の有権者の方からも、不安より、期待の声の方を多くいただきました。ある意味、今の政治に対する失望感の裏返しである様に思っています。
あいさつ回りで伺った先の6割が、不在でした。残り4割の内、2割では、手短な自己紹介と個人新聞の手渡しという基本のごあいさつができました。最後の2割でいろいろご意見を頂戴したり、最近の暮らしについて、感じていることをお話いただいたりしたというところです。 約4カ月半のあいさつ回りで伺った地域の方々の貴重なご意見や、私が皆さんのお話から感じ取った潜在的な要望・希望は、丁寧に書き留めていきました。メモ帳3冊にびっしり書き込むぐらいのボリュームになりました。
-- 集めた意見については、後ほど伺わせていただきます。その前に、世代別に見た、あいさつ回りへの反応や対応ぶりを教えてください。高齢者と子育て世代で分けた場合、いかがですか。
高齢者層の反応は、概ね良好でした。 「(政治は)若い人がやらないとダメよ」と、私の若さに期待する声が目立ちました。また、時間にゆとりがある方が多いので、私の政策にまで踏み込んで尋ねられたり、現在の市政についての考えを話される方もいらっしゃいました。
一方、子育て世代の方は、日々の暮らしで忙しいせいか、政治に関心が及ばない様子。「小坪小学校ネタ」で話が盛り上がっても、話題が、市政や政策にまで広がることは中々ありませんでした。
■ あいさつ回り(3) 町の人から寄せられた意見をどうしたか | -- それでは、先ほどのあいさつ回り中に町の人から集めた意見について伺います。寄せられた意見は、どう処理されましたか。
|
個人新聞「太郎通信」 | お寄せいただいたご意見や、お話を通じて感じ取った潜在的な要望・希望の中で、市政に反映すべきと考えられる事柄については、自分なりに逗子市や近隣の町の状況などを調査。調査結果や、自らの考えと合わせ、3週間に1回程度の頻度で発行した個人新聞「太郎通信」に掲載しました。
例えば、高齢者の方や子育て中のお母さん方には、「買い物や坂道で疲れた時、ひと休みできる場所」が必要だろうと、全バス停へのベンチ設置を提案、また、「ほとんど放置状態の公園がもったいない」というご意見に応えて、三世代が集える場所としての公園再生などを「太郎通信」で提案してきました。
-- 個人新聞「太郎通信」は、八木野さんの政策を伝える重要な選挙用品です。
先に、この太郎通信は、あいさつ回りで使うだけでなく、ポスティングしたり、駅立ちの時に手配りしたと伺いました。太郎通信を使って、どのようにポスティングされていったのか、お話いただけますか。
ポスティングは、ボランティアスタッフ中心になって実施しました。ポスティングで配る太郎通信は、逗子市全体の課題を取り上げた逗子市版通信の他に、地区ごとの課題を取り上げた地区版も用意しました。
地区版のテーマを紹介すると、海に面した小坪地区なら防災、米軍住宅建設問題を抱える池子地区なら(米軍住宅建設に関連した)池子問題などです。自らが暮らす地区の、身近な課題の方が、町の人の関心が高い場合も多いため、地区版も作りました。
また、ポスティングの重点地域は、私の出身地区である小坪や、人々の関心を集める問題を抱えた地域にしました。例えば、老人ホーム建設の是非が、話題になっているような地域です。 こういう地域では、問題についての私の意見に耳を傾けてくれやすい。その分、「八木野太郎」を印象づけられる可能性が高いので、重点地域と考えました。重点地域には、複数回ポスティングして、地区版太郎通信と共に、全7号ある逗子市版太郎通信を全号配布するように努めました。
なお、ポスティングする際は、配布履歴を残すのが基本。どこに、いつ、どの太郎通信を配ったか、正確に書き留めて、ポスティングの重複や漏れがないようにしました。 最終的にポスティングした戸数は、逗子市全戸2万4,000戸中、2万戸になりました。
-- さて、それでは次に、あいさつ回り、ポスティングに続くもうひとつの活動の柱、駅立ちは、どのように行われたのか、お聞かせください。
原則的に、平日の朝晩2回、午前と午後の6:00~8:00に行いました。駅立ちしたのは、4つの駅の合計5カ所の改札口。毎回、駅立ちする改札口を変えるので、それぞれの駅で一週間に2回~3回、駅立ちする形になります。
駅立ちでは、行き交う人に「おはようございます」、「いってらっしゃいませ」、「おかえりなさいませ」とごあいさつしながら、太郎通信を配ることに集中しました。 あいさつ回り同様、駅立ちでも、酔っぱらいに絡まれるなど、困ったことはありませんでした。強いて挙げるなら、冬の夜は指先が凍えて辛かった程度です。
■ 「継続は力」~「『候補者・やぎの太郎』がじわじわ浸透していった」 | -- あいさつ回り、ポスティング、駅立ちを2013年10月末から始められました。いつごろ、有権者に、「八木野太郎」候補が浸透してきたと実感しましたか。
14年2月に入ってからでしょうか。 ごあいさつに伺うと「あなたの看板(写真付き立札看板)見たわよ」、「チラシ(個人新聞)が、ポストに入ってた」、「この間、駅で見かけた(駅立ち)」と声をかけられるようになってきました。 「『やぎの』さんよね?」と、私の顔と名前を覚えてくれている方と出会うこともありました。3カ月以上、いろいろな形で顔と名前を露出してくると、町の人の目に留まるようになると分かりました。
-- 2月までに、それぞれの政治活動は、具体的にどの程度進めましたか。
個人新聞は、ポスティング、あいさつ回り、駅立ちで合計7万5,000枚ぐらいまいたと思います。その内、ポスティング分が1万5,000枚程度。あいさつ回りは、1,500戸ぐらい回りました。駅立ちは、平日の朝晩2回を基本に続けていました。
-- 年末年始の政治活動は、どうされましたか。
駅立ちなど、いつもの政治活動はお休みにして、支援してくださる皆さんとの食事会や、逗子市の社会福祉協議会が開いた餅つき大会などに顔を出させていただきました。
-- 2月以降、八木野さんの候補者としての浸透状況はどうなりましたか。
時間が経つにつれて、より一層浸透していくようで、選挙直前の3月には、訪問先で、大体の方が、程度の差はあるものの、「八木野太郎」を知っている状態でした。あいさつ回りを始めたばかりの頃は、誰も私のことを知らず「あんた、だれ?」状態だったことを考えると、活動の効果を感じました。
また、ポスティングされた太郎通信に目を通してくださっていた方とは、市政や政策について突っ込んだ意見交換ができました。意見を交わせるまでになれば、かなり私を印象づけられます。それに、政策の話までできるのは嬉しいですし。
-- 政策については、最も語りたいところですね。ところで、駅立ち効果はいかがですか。「あいさつして太郎通信を配るだけ」というシンプルなものですが、有権者に覚えてもらったり、言葉を交わすきっかけになったりしましたか。
ええ。駅立ちも続けていると覚えていただけるし、話しかけてもらう頻度も高くなります。 顔見知りになった方と、朝晩のあいさつを交わしたり、時には、「どこに住んでるの?」、「なんでこんなことしてるの?」と聞かれたり。 10月から駅立ちを始めて、年明けぐらいから話しかけてくださる方が増えてきたように感じました。寒い日には、「お疲れさま」と暖かいコーヒーや肉まんの差し入れをいただきました。 太郎通信を手に入れるために、わざわざ私が立っている改札口まで来てくださる方も出てきました。
-- さて、ここからは選挙用品について伺っていきます。まず、選挙用品ドットコムの利用に至った理由からお話いただけますか。
最初に、ネット検索して選挙用品ドットコムを見つけ、商品カタログを送ってもらいました。価格が手頃で、カタログも分かりやすかった。何より選挙用品の総合ショップだから、一括オーダーすれば、商品ごとに別の店に発注しなければならない手間を省けるのがいいと考えました。それで利用することにしました。
-- ネットショップで、選挙用品を揃えることへの不安はありましたか。
全くありませんでした。悪い評判はネット上であっという間に広まりますから、これといった悪評のないところは、逆に安心して利用できます。夜中でもオーダーできるし、店舗までわざわざ足を運ぶ必要もないからラクです。
-- 選挙用品ドットコムのデザイン力についてはいかがでしたか。
選挙用品のデザインに慣れているなと思いました。
-- どういう点でそう感じたのか、詳しくお聞かせください。
今回オーダーしたものの中で、キャッチフレーズのぼりについては、色だけ青色で指定して、細かいデザインはお任せ。何案か出してくださいとお願いしました。
出てきたデザイン案は、平仮名を小さく漢字を大きくして、キャッチフレーズのデザインにメリハリを出したり、訴えたいことをより強めた感じ。それを見て、どこにどう手を加えれば、どんな効果が出せるか、よく理解されている印象を受けたんです。 バリエーションを出してもらったので、見比べてベストなものをすぐ決定。選挙用品にかける時間と手間を節約して、選挙に集中できました。
-- 八木野さんが初出馬された2014年3月の逗子市議選は、定数18議席に対し23人が立候補。八木野さんは770票集めて18位当選されました。勝因をどのようにお考えですか。
勝因は、ドブ板選挙に徹したことです。 あいさつ回りの戸数、駅立ちの回数は、候補者の中で、おそらくトップだと思います。 私以外で、駅立ちしている他の候補者をぼちぼち見かけるようになったのは、年明けぐらいですから。 時間の許す限り、足を使って有権者の方にお会いして、「八木野太郎」を覚えていただき、票につなげました。
-- 「若手・無所属・新人」で出馬を考えている方に、メッセージをお願いいたします。
自身の政治信条と政策を地道にアピールすれば、必ず支持してくれる人がいるということです。 「現職・政党・組織票」の3条件を満たす候補は、確かに強い。ただ、今は、ドブ板選挙の時代と言われます。 多くの政党がありますが、正直違いのよく分からない政党も多いので、ドブ板選挙で個人の個性を打ち出せば、支持を集めやすいというわけです。今回、自らドブ板選挙を経験し、この説にはうなずけると思いました。 逗子市は2万4,000世帯、人口約5万8,000人。あいさつ回りを経験してみて、この世帯数なら、本気を出せば、全世帯を回りきれるなと感じました。 足を使って戦えば、「若手・無所属・新人」にもチャンスはあります。
また、無名の新人ですから、大勢の候補の中で目立つことが重要です。
実は、私は、今回の選挙で、「八木野」の名前にちなんで、本物の「ヤギ」を連れて演説したんです(笑)。インパクトを強めて、覚えてもらうためです。太郎通信には、ヤギのイラストを入れました。
「生ヤギ登場」については、ツイッターなどで「ヤギがいた!」とのつぶやきがポコポコ出たり、「面白い」、「いいね!」の声が上がる一方で、「動物虐待だ」とするコメントも頂きました。
何事も、評価は分かれるもの。 まずは目に留まること、覚えてもらうことが大事。これらのステップを踏まないと、人となりや政策を知っていただくところまで行けませんから。知名度の低い候補こそ、どうやって目立つかを考えるべきだと思います。
-- 最後に今後の目標をお聞かせください。
2014年現在、逗子市の高齢化率は県下トップクラスですが、逗子の魅力は、多くの現役世代もひきつけています。逗子で生まれ育った私が、両世代の間に立ち、世代を超えて協力し合う、活力ある逗子市に変えていきます。
-- 貴重なお話をありがとうございました。
【編集後記】 「足を使えば勝てる」を実証した、八木野さんの選挙体験記。 (地域、候補者にもよるでしょうが)あいさつ回り、駅立ちに熱心な現職、政党系候補はほとんどいないと聞きます。 ライバル不在なので、活動するだけでかなり目立つはず。候補者のアピールポイントを明確にして、地道に活動を重ねれば活路が開けそうです。コストがあまりかからない点も、若手候補向けです。
八木野さんが、直に接して得た有権者との接点を、次の選挙までにどう育てるか、初戦で身に付けた「足で勝つ選挙ノウハウ」を次回の選挙戦にどう活かして戦うか… (ちょっと気が早すぎますが)再選インタビューをさせていただくのが、楽しみです。
※ 取材日時 2014年4月
|
|