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常在選挙。常に選挙に身を置く弊社代表が、3,000件超の候補者を見続け勝てる候補者、負ける候補者の違いを分析。さらに『90日で政治家になる具体的なノウハウ』などノウハウ満載の地方選挙に特化した選挙本がついに登場しました。
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■選挙体験記 -岡野数正 広島県・江田島市議会議員に聞く




もくじ
  1. ・岡野数正(おかの かずまさ)さんのご紹介
  2. ・63歳で、なぜ市議選に立候補したのか?
  3. ・少数の支援者からの立ち上げ
  4. ・当選に結びついた選挙活動のポイントとは?
  5. ・選挙活動中にこんなトラブルが・・・
  6. ・躊躇せずにチャレンジしよう!


■ 岡野数正(おかの かずまさ)さんのご紹介

- 自己紹介をお願いいたします。

岡野数正です。1953年(昭和28年)に、江田島町(当時)の幸ノ浦で生まれました。大学は大阪の方に行きまして、就職は地元の江田島に戻り、江田島の消防本部に勤務し、消防長を最後に定年退職しました。

- 座右の銘を教えてください。

「常在現場」(じょうざいげんじょう)です。
消防時代に自分で考えた言葉ですが、「平時にあっても 災害にしっかりと備える」ことを表しています。これは、第二次世界大戦の連合艦隊司令長官だった山本五十六の「常在戦場」を元に考えました。消防時代から、「常在現場」と書いた額を壁にかけています。





- 岡野さんのユニークなエピソードを教えてください。

私は面白みのない人間ですので、ユニークなエピソードというと困るのですが(笑)。あえてお話すると、昔はヘビースモーカーだったのですが、たばこを辞めようと考えました。しかし、禁煙のために自分をコントロールするのが大変で、何かいい方法がないかと悩みました。そのとき、「たばこを1日2箱買うと500~600円、これを10年買い続けると、どのくらいの費用だろうか?」と計算したところ、何と250万くらいの金額になることがわかりました。250万だとワゴン車が買える金額なので、そこでワゴン車を買ってしまい、たばこに使うお金を無くして、禁煙することができました。ところが、たばこを辞めた反動が食べ物に出てしまいました。特に甘いものをよく食べるようになって、気がつくと、健康診断の数値がすごいことになっていました。病気を治すために、今の趣味でもある、山歩きをするようになりました。





■ 63歳で、なぜ市議選に立候補したのか?

- ありがとうございます。そのようなご経歴で、なぜ市議選に立候補されようと思われたのでしょうか?

実は今年(2017年)始めに、地域の方から市議会議員への出馬要請をいただいたのですが、そのときは固辞しました。なぜかと言いますと、自己紹介でもお話させていただきましたが、消防を38年、危機管理監を3年、合計41年の間、24時間気が張りつめた仕事をしてきました。なので、正直、ゆったりとした人生を歩みたいという気持ちだったからです。

仕事から解放され、自由に生きたいと思い、7月に待望の海外旅行に行ってきました。自由の身になったかと思ったところ、帰国後、また出馬要請をいただいたのです。

気が張った仕事から解放され、リフレッシュしたこともあり、改めて考えたところ、江田島も子供が少なくなり、若者は流出し、1980年台は4万人いた人口も、2030年には半分の2万人を切ることが予想されています。

このように、江田島に元気がなくなっている中、自分を優先していいものだろうか、このままではいかんと思いました。また、これまでは地方公務員として生きてきましたので、その恩返しが必要と考えました。また、地域の方からも「岡野さん、何とかしてください」との声があったことに後押しされ、出馬を決意しました。





- 市議選に立候補するにあたり、何か迷われたことはありましたか?

先ほどの繰り返しになってしまいますが、現在63歳で、自分の自由な時間が欲しいと思い危機管理監の職を辞したのに、果たして、選挙に出るのがいいのかどうか、非常に悩みました。

もう1つ、具体的に選挙に出て、本当に自分が当選するのだろうかということです。この点は、後の選挙活動の中でお話しますね。



- 立候補にあたり、ご家族には相談されましたか。また周囲の反応はいかがでしたか。

家族には、もちろん相談しました。妻からは、普段から「あなたは、止まると死んでしまうサメのよう」と言われていることもあり、「やりたいのだったらやれば」といった反応でした。娘が3人いるのですが、3人も妻と同じ反応でした。
逆に、私が「家の中にいると困る」といったことでして(苦笑)

友人は、「えっ、岡野が立候補するの? でもいつかは、やるんじゃないかと思っていたよ。」という反応でした。消防時代のOBも、協力してくれるとのことでしたので、心強く思いました。





■ 少数の支援者からの立ち上げ

- 準備はいつごろから開始されましたか。

実際には8月に入ってからですね。7月の終わりは、選挙についての情報をインターネットで調べていた程度です。


- 実際の選挙活動はどのように進められましたか

当選するには、どのような活動をすればよいか、戦略的に考えました。
というのも、選挙区は31の自治会があるのですが、私が所属する自治会は1番小さく、有権者が約50人しかいません。協力してくれる隣の自治会でも約150人で、合わせても約200人ほどです。江田島市議会議員選挙の有権者数が20,890人(江田島市ホームページより)なので、協力者が200人ほどですと1%にも満たない数字です。

このように支持者が非常に少ない状況から当選するためには、江田島の他の地区からも票を集めないといけないので、地元用の支援者会と全域用の支援者会を組織化するようにしました。全域用の支援者会は、以前の職場の消防、趣味の山関係、昔からの知人など1人ずつ直接お願いさせていただき、支援をOKいただいたのは18人でした。地方の選挙で難しいのは、自分の住んでいる地域に候補者がいるため、表立った支援協力を得られない点があります。そのような状況もありますが、表立った支援は難しいと言われた方も、後援会はがきを内緒で配っていただくなどの協力をいただけました。





■ 当選に結びついた選挙活動のポイントとは?

- 当選に結びついたと思われる選挙活動のポイントは何でしたでしょうか。

支援者の方に、後援会はがきを31地区の半分ほど、枚数としては2000枚お届けすることができました。
また、妻と私も1件1件に後援会はがきを配りました。男1人だと、何かの売込と思われ警戒されるのですが、妻と一緒に配布することで警戒が薄れ、話を聞いていただく効果がありました。

またこの訪問活動の中、昔の知人にバッタリ会うこともありました。また私だけではなく、妻の昔の知人にも会うことがあり、後援会はがきをお渡ししました。夏の暑い中の活動で汗だくになり、正にドブ板と言われる活動が、選挙のポイントだったと思います。一緒に歩いてくれた妻に感謝です。





- 選挙用品はどのように揃えましたか。

インターネットで調べている中で、選挙用品ドットコムを見つけました。他にも選挙用品関連のホームページはあるのですが、選挙の一部の情報しか載っていませんでした。私のように初めて立候補する人間は、選挙のことに詳しくないので、選挙の全体像がわかる情報が必要です。選挙用品ドットコムは、私のような選挙の素人にも、選挙の全体像をわかりやすく書いてありました。また、選挙用品ドットコムは他のホームページよりも、作りもよいと感じています。そのような経緯で、選挙用品ドットコムに依頼しました。

もちろん地元にも業者がいて、票のことを考えると、地元への発注を考えるところもあります。しかし、地元の業者がどこまで対応してくれるか、私も詳しくなかったので、地元の業者にお願いする場合は、調査から必要な状況でした。

投票日まで50日しかない状態でしたので、今回は、対応が早いところが必要だったので、選挙用品ドットコムにお願いすることにしました。

具体的な選挙用品ですが、まずは、後援会はがき作成を依頼しました。私の思いをメールで伝え、数日で形にしてくれました。また私の要求に合う提案も、選挙用品ドットコムからしていただきました。

他に用意した選挙用品は、立て看板、横断幕、選挙カーに貼る顔写真入りネームプレート(自家用車変身キット)を選挙用品ドットコムにお願いしました。

最初はブルーを基調としていたのでしが、私が消防の経歴もあるので、イメージカラーを赤へ変更しました。

選挙用品ドットコムへの依頼も、正直、最初は不安だったのですが、実績があるので依頼しました。
選挙まで6ヶ月あれば 地元の業者に注文したかもしれないが、今回は早く・いいものを作ってくれる業者が必要で、選挙用品ドットコムは期待を越えるものを作成してくれました。





- 選挙用品の役割や重要性はいかがでしょうか。

実際、他の候補者も同じような選挙用品を揃えます。ですので、変わったものなど差別化が必要です。私の場合は、新人で顔と名前を覚えていただくため、選挙事務所の看板、立て看板、選挙カーネームプレートと、あらゆるものに「顔写真」を入れました。他の候補者の約半数は、顔写真を入れていませんでした。特に安泰な候補者は、新しい選挙用品を作らず、昔のものをそのまま利用されている状況でした。そのような状況もあり、「顔写真」での差別化はお勧めです。





■ 選挙活動中にこんなトラブルが・・・

- 選挙活動中にトラブルはありませんでしたか。

トラブルはありました。選挙は血を流さない戦争なので、現職のところに入って行く、私のような新人は特に大変です。

具体的なトラブルですが、誹謗中傷を受けました、誹謗中傷は田舎ほど多いです。私が受けた中で一番ひどかったのは、「岡野は消防時代に職員にパワハラを行った」という誹謗中傷です。。

自分が誹謗中傷を受ける分は我慢できるが、一番厳しいのは、誹謗中傷により、支援者の方の心が折れることです。自分が支援している候補者が、「そんな嫌な人間だったのか」と思われ、支援者が活動してくれなくなります。

もちろん、誹謗中傷を言われる覚えはないので、支援者の方や後援会事務所に来る方1人1人に「私に、そのようなことはない」ときちんと説明しました。きちんと説明することで、支援者の方々からは「岡野さんが、他で言われているような方ではないことを、私達ががんばって伝えていきます。」と熱い思いをいただきました。自分の陣営には引き締め効果になり、相手陣営は「あそこは、ひどいことを言っている」と逆効果になったと思います。

これから立候補される新人さん、特に若い方にお伝えしたいですが、誹謗中傷を言われることは当たり前と思ってください。大事なのは、誹謗中傷を受けることはしていないと、支援者の方に早く、きちんと説明することです。


- 選挙は長丁場ですから、ペース配分が必要だと思います。長丁場を闘い切る秘訣を、1つだけ教えてください。

選挙活動は、準備を含め50日間でした。長丁場といった感じはせず、時間が短く、あっという間に終わってしまった感じです。活動の中で重要なことは、なかなか難しいのですが、「しっかり食べて寝ること」です。特に、栄養バランスが重要ですね。
外食が中心となるのですが、飲食店も票につながる場なので、選挙に理解ある飲食店で食事をとるようにしました。





■ 躊躇せずにチャレンジしよう!

- 当選確実の知らせを、どこで、どのような方々と一緒に聞きましたか。

開票場に1名派遣し、開票状況を逐次、自宅に連絡入れてもらっていました。途中で事務所に行き、家族、支援者、衆議院議員の先生と当選確実の報を聞きました。


- 当選確実が出た日、ご自宅に帰って、最初にしたことは何ですか。

事務所ではアルコール飲めなかったので、家に帰って冷蔵庫を開けて、缶ビールを妻と娘と飲み、疲れを癒やしました。


- 選挙を通じて、ご自分が変わったなと思われる点があれば教えてください。

これまでは、頭を下げるような仕事ではなかったのですが、よく頭を下げるようになりました。今では、対向車の運転手にまで、頭を下げるようになりました(笑)。


- 「将来は自分も市議選に挑戦したい」と考える政治家志望者や若手政治家に、何かメッセージをお願いいたします。

悶々と悩んでいる方が多いと思いますが、躊躇する必要はありません。自分の人生なので、チャレンジしましょう。資金で悩んでいる人もいるかと思いますが、私の経験から、自己資金100万あれば何とかなります。お金よりも、自分のために親身に動いてくれる人が、どれだけいるかが重要です。。


- 最後に、岡野さんがこれから取り組みたいこと教えてください。

他の議員さんも言われているかと思いますが、「市民の声を市政に反映」します。具体的にどのようにして市民の声を聞くかですが、毎月第一土曜日は、事務所に朝から晩まで1日いて、市民の声を聞く場を設けています。是非、事務所にお気軽にお越しいただければと思います。


- お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました

※ 取材日時 2017年10月
※ 取材制作:カスタマワイズ
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